コンタクトレンズの正しい使用方法
コンタクトレンズ利用者には、毎年数万人の方が角膜感染症が生ずるなど、目の病気を発症する人が非常に多く、中には失明に至る人もいます。コンタクトレンズは、とても利便性が高く、容易に視力を得ることができますが、目に異物を入れていることには、変わりありません。
また、コンタクトレンズの便利さに慣れてくると、使用方法がずさんになりやすくなります。正しい使用方法を守り、眼科での定期的な検診を必ず受けるようにしましょう!
間違ったコンタクトレンズ使用方法で思わぬ病気に
コンタクトレンズの利用者!
コンタクトレンズの危険性!
注! コンタクトレンズも目にとっては“異物”です
どのようなコンタクトレンズも目にとっては異物です。ドライアイの症状を引き起こすだけではなく、間違った使用方法や注意事項を守らない事によって、目に様々なトラブルを引き起こします。また、定期的な検診を怠ることが、症状を悪化させ、重い眼疾患を引き起こす要因となっています。
コンタクトレンズによるトラブル
コンタクトレンズの眼の障害の原因
コンタクトレンズの使用法を守らなかったり、定期的な眼科への検診を怠ったりすると、思わぬ病気を発症する恐れがあります。コンタクトレンズ利用者の約10%に何らかの眼障害が起こっているという報告がされており、カラーコンタクトの普及などによって年々増加傾向にあります。
2. 細菌による感染症
3. レンズの汚れ
4. コンタクトレンズによる目への刺激
5. アレルギー症状
6. ドライアイ症状による涙の減少
コンタクトレンズによる眼疾患
点状表層角膜症
点状表層角膜症は、角膜の一番上にある上皮層の細胞が、数個から数10個単位で脱落してしまっている状態。いわば角膜の「スリキズ」です。酸素不足やレンズと角膜のまさつなどが原因で起こります。ほとんどの場合、自覚症状はありません。
ドライアイ
点状表層角膜症は、角膜の一番上にある上皮層の細胞が、数個から数10個単位で脱落してしまっている状態。いわば角膜の「スリキズ」です。酸素不足やレンズと角膜のまさつなどが原因で起こります。ほとんどの場合、自覚症状はありません。
角膜上皮びらん
角膜上皮びらんは、角膜上皮がはがれた状態。軽症では主に、異物感や目がしみるなどの症状があります。重症の場合は激しい目の痛みや充血が起こり、まぶたが腫れることがあります。
角膜浸潤
角膜浸潤は、角膜の中に白血球が集まっている状態です。通常、角膜の中には白血球はありませんが、角膜が炎症を起こし、白血球が集まるために角膜が白く濁ります。違和感や痛みを伴いますが、ソフトコンタクトレンズを装用すると痛みを感じない場合があります。
角膜潰瘍
「角膜浸潤」がより悪化すると、深いキズが角膜上皮から実質にまで進行してしまい、実質の一部が欠損した状態で激しい痛みや充血を伴います。これによって、目のバリア機能が低下して、細菌やカビなどに感染しやすくなってしまいます。感染症が起こると潰瘍がさらに悪化し、時には失明の危険もあります。
巨大乳頭結膜炎
主にコンタクトレンズの汚れが原因で、アレルギー性の炎症が引き起こされて、上まぶたの裏にブツブツをともなう結膜炎が生じることがあります。これを巨大乳頭結膜炎と呼びます。症状としては、かゆみ、異物感、少量の目脂(めやに)や若干の痛みを伴うこともあります。
角膜内皮障害
角膜一番内側にある内皮細胞は、角膜の内側から水を汲み出して角膜の透明性を保っています。この角膜内皮細胞は再生しないため、コンタクトレンズの長期間使用などによって、内皮細胞の数が減ってしまうと、水を汲み出す役割が果たせず角膜が白く濁ることがあります。
角膜浮腫
角膜浮腫とは、角膜の水分量が増え、むくみが生じる眼障害のことです。コンタクトレンズの長期装用などによる角膜への酸素供給不足が原因で起こります。症状としては、かすみ、視力低下、まぶしさ、異物感、痛みなどがあります。
角膜新生血管
角膜には血管がないため、酸素は空気から涙を介して取り込んでいます。コンタクトレンズを長時間使用すると角膜が酸素不足になり、角膜の周囲から中央に向けて血管が侵入してきます。これを角膜新生血管と呼びます。ソフトコンタクトレンズのほうが角膜を覆う面積が大きいためにこの状態が起こりやすくなります。
細菌性角膜炎
細菌に感染したことで起こる角膜炎の総称が、細菌性角膜炎です。涙が少なかったり、コンタクトレンズを長時間装用し過ぎたりすると、目の中の細菌が洗い流されずに定着して、増殖しやすくなり、細菌性角膜炎につながります。症状としては、異物感、目の充血、かゆみ、痛みと、視力の低下が挙げられます。